http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10901000-Kenkoukyoku-Soumuka/0000185131.pdf
『心不全の定義』について
2017年10月31日 発表一般社団法人日本循環器学会 一般社団法人日本心不全学会をもとに株式会社コルボ作成
テルモが細胞による再生医療に着手したのは2002年。まず心臓に的を絞り、研究を重ねてきました。テルモの再生医療は、患者さんご自身の細胞を活用し、組織や臓器、器官の再生や機能の回復を図ろうという医療で、2016年春より提供しています。「心臓移植、人工心臓といった心不全外科治療に第3の治療として道を開いた」といえます。
国内の循環器疾患の死亡数は、癌に次いで第2位となっており、高齢化が進むわが国にとって、心不全は大きな問題となっています。医学的に心不全は、いろいろな病気が病因となって心臓の機能が低下している状態のことをいいます。心不全とはどういう状態かということを、一般の人にわかりやすく説明するために、日本循環器学会と日本心不全学会で、以下のように定義しています。
「心不全とは、心臓が悪いために、息切れやむくみが起こり、
だんだん悪くなり、生命を縮める病気です。」
一般社団法人 日本循環器学会 一般社団法人 日本心不全学会
2017年10月31日発表の『心不全の定義』より
よく耳にする言葉ではありますが、その事実と心不全の怖さ(例えば、完治しない等)については、あまり知られていないのが現状です。
心不全になると、からだの隅々まで血液を送り出す心臓の働きが弱くなり、酸素や栄養がからだに行き届かなくなります。重症化すると、脳や腎臓、肺、肝臓などの臓器が大きなダメージを受け、いろいろな臓器が機能しなくなる「多臓器不全」に陥り、生命が危険にさらされます。
心不全は放っておくと下の図の赤色の推移のようにだんだん悪くなっていきます。心不全を発症しても、適切な治療によって、一旦症状は改善しますが、残念ながら心不全そのものが完全に治ることはなく、症状がぶり返すことがあります。過労や塩分・水分の摂りすぎ、風邪、ストレスや、薬の飲み忘れなどにより心不全の症状が悪化、再発することもあります。安静にしたり、適切な治療を受けることで、心不全の症状は再度改善はしますが、このような悪化と改善を繰り返しながら進行していくことを、上記のように“だんだん悪くなる”と表現されます。
http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10901000-Kenkoukyoku-Soumuka/0000185131.pdf
『心不全の定義』について
2017年10月31日 発表一般社団法人日本循環器学会 一般社団法人日本心不全学会をもとに株式会社コルボ作成
テルモはこの心不全治療に対し、細胞シートを使用した心筋再生治療に取り組んでいます。
患者さんご自身の骨格筋に含まれる細胞を採取して培養し、シート状に調製して、患者さんの心表面に移植するものです。
患者さんご自身の細胞を使うので、心臓移植とは異なり、拒絶反応が起きにくい、体に優しい治療と言われています。
標準治療で効果不十分で、以下のような心不全の症状を有する、虚血性心疾患による重症心不全の方が対象です。
専門的には、以下の両方にあてはまる、薬物治療や侵襲的治療を含む標準治療で、効果不十分な虚血性心疾患による重症心不全の患者さんです。
従来、重症心不全の患者さんに対する積極的な治療は、「補助人工心臓の装着、あるいは心臓移植」の二つでした。
細胞シートを用いた心筋再生治療は、「補助人工心臓の装着、あるいは心臓移植」に至る一歩手前の段階で実施するものです。
患者さんご自身の骨格筋を培養、細胞シートを調製し、それを心臓の表面に貼り付けます。すると、細胞からたくさんの生理活性物質が分泌されます。この結果、新しい血管が生まれたり、心筋が線維化して固くなるのを抑えたりすると考えられています。
また、患者さんご自身の細胞を使うため、拒絶反応が起きにくい治療です。
テルモが提供する再生医療を使った治療は、豊富な経験と高い専門性を持った医師がいること、植込補助人工心臓の手術を行っている施設であることなど、厳しい施設基準が定められています。これらをクリアし、届出を行った医療機関のみで実施されています。
適切な治療を実施するために、このような厳しい基準が設けられています。
テルモが提供する再生医療を使った治療は、健康保険を利用することができます。
高額療養費制度の対象になるので、一定額以上の個人負担はありません。